Queen Harish(クイーンハリッシュ)の完ぺきなダンス


インド、ラジャスタン出身のクイーンハリッシュというダンサーがいます。

映画「ジプシーキャラバン」にも出ていましたので、ご存じの方も多いですね。

数年前ですがクイーンハリッシュのショーを見に行く機会がありましたので、
その時の事を書きたいと思います。

当時、私は彼の存在すら知らなかったのですが、
あるダンサー友達が大興奮で、
絶対見に行くべき!!
と強く勧めてきました。

今回のショーはバルカンを代表するジプシーブラスバンドの
コチャニ・オーケスターとの共演でした。

私は1歳の子供にまだ授乳している時期だったので、
夜に子供と離れるのは心配だったのですが今となれば、
子供を預けてでも行く価値のある素晴らしいショーだったと言えます。

彼は両親を亡くした後、残された幼い兄弟を養うためにダンサーとなりました。
そして、ラジャスタンの伝統舞踊やジプシーのダンス、
ベリーダンスなどを躍っています。

彼のダンスを見て私が今まで習ってきたジプシーダンスと、
クイーンハリッシュのそれとはちょっと違うなと思いました。

まず、躍り方が全然違いました。
もちろん、ハリッシュのダンスはラジャスタン地方の独特の動きが入っているので
エジプシャンスタイルの踊りとは別物なのですが、
「こういうスタイルもベリーダンスと呼ぶのだなあ」と、その時思いました。

彼はダンスで生計を立てる本物のジプシーですしね。

それと、ハリッシュは独自のスタイルを持っています。

ハリッシュの躍りで有名なのは、膝で回転する動きです。
立て膝で高速ターンをするのです。

観客から「おおおーー!」と拍手が起こります。
ラジャスタンの衣装のスカートは回転すると大きく広がり、
タンヌーラの様できれいです。

そして、躍っている時の顔の動きがコロコロと変えられるのがスゴイです。
you tubeで1曲最初から最後まで、顔だけで振り付けしている動画を
見たことがあります。
すごい表現力です。

私はジプシーの音楽が大好きなので、コチャニの演奏もすごくよかったです。

しかし一緒に同行している専属のベリーダンサーの女の人がいて、
その人がすんごいヘタクソでビックリしました。
一緒にツアーを同行しているダンサーらしいです。

衣装だってレッスン着みたいだったし、なぜ?
あんなんでよく世界のステージで踊れるなと…。

おかげで、余計にクイーンハリッシュのうまさが際立っていました。

その女の人と両手を繋いで、ぐるぐるまた回転しています。

映画「タイタニック」を思い出してしまいました。
ディカプリオとケイトウィンスレットが手を引っ張りあって回る、あの有名なシーン。

とにかく、クイーンハリッシュのダンスに私はとても感動しました。

ショーが終わった後、クイーンハリッシュはお客さんにメヘナディという
ボディペイントをしていました。500円で。

「その衣装どこで買えるの?私も躍りたいです!」
と話しかけました。

すると、
「これ売るよ。350ドルね。高くないよ。
お金振りこんでくれたらフェデックスで送るよ。」

…なんて商売人だ。
チャッチャと対応出来るところがジプシーってかんじ。
お金に出来るものはなんでも売っちゃうってイメージがありますね。

本当は私はクイーンハリッシュの着ている衣装じゃなくて、
新品をどこで買えるのかが聞きたかったんだけど、まあいいや。

後日私はクイーンハリッシュの日本人のお弟子さんに
衣装を送ってもらうことになります。

何年か後に、日本人ラジャスタンダンサーのNalikaさんに
ダンスを習う機会がありましてこの話をしました。

私「クイーンハリッシュはたぶん覚えてないと思うけど、
  来日した時、衣装譲ってもらったんです。」
N「たぶん、彼は覚えていると思うよ。
  記憶力すごい人だし。」

確かに、インド人って記憶力いい人多いかも。
カレーパワーですかね(笑)

ちなみにクイーンハリッシュはオカマさんではないそうです。

インドにはヒジュラというオカマがいて、
勝手にお祈りをしたり、躍ったりして
金よこせ!
っていうのだそうです。

なので現地の人は
「うわ!ヒジュラが来た!ひえー」
って感じなんですって。

しかしヒジュラの要求を断ると呪われるといううわさがある為、
しぶしぶ払うのだとか。

一方、ラジャスタン地方ではオカマを神聖なものとして扱う
習慣があるらしいです。

クイーンハリッシュは女形になることにはあまり抵抗はなかったのでしょうか。
どうであれ、女性らしさを表現できる素晴らしいダンサーですね。